兵庫県議会、斎藤知事の不信任再提出には慎重　失職後に再選、進退問うのは消極的　百条委報告書了承

兵庫県議会調査特別委員会（百条委員会）は、告発文書問題を巡る斎藤元彦知事らの対応を「行政機関として大きな問題があった」と総括した。知事と県議会の対立は解消されないままだが、県議会では、不信任決議案の再提出など再び知事の進退を問うことに慎重な声が目立つ。

　報告書では、告発文書を巡る県の対応について、公益通報者保護法違反の可能性が高いと指摘。元西播磨県民局長（昨年７月に死亡）に対する県の懲戒処分にも救済・回復などの措置を取るよう提言した。

　県議会は斎藤知事や県が対応しない場合、知事の不信任決議のほか、法的拘束力はないが、議会の意思表示として問責や辞職勧告を提案する選択肢もある。しかし斎藤知事は、公益通報者保護の問題やパワハラ疑惑が出た後に再選されており、県議会では「知事に再び不信任を突き付けるのは現実的でない」との見方が広がっている。